飲食店舗の廃業、閉店、移転を考えた造作譲渡・売却は最終手段かもしれません。業務委託で店舗の継続ができる可能性を紹介します。現在の店舗状況は売却か継続か?ベストな方法をご判断ください。
開業して5年以内に閉店に追い込まれる割合は90%近いという結果が出ています。5店舗開店し1店舗も残れない事業だという証です。開業から閉店までの平均営業期間はわずか16か月です。
飲食店舗の譲渡・売却
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【理由】業績悪化や人材確保が難しく見通しが立たない。高年齢で営業がつらい、体調が悪いなどで廃業を考えている。店舗の移転をしたい・・・
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【メリット】店舗の現状回復費用を必要としない。引っ越し費用が最小限で済む。譲渡・売却の利益が獲得できる。次の店舗借主(買主)の早期契約は退去の期間を短縮できる。
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【注意点】居抜きは家主からの承諾が出ない場合がある。解約のタイミング次第ではスケルトンを希望する次の借主が決定する可能性があり、居ぬきが成立しない場合もある。リースなど残債処理で売却額マイナスの可能性も。
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【リスク】売り手市場になりつつある今は、譲渡・売却の相場が下がってきているのに加え、立地・面積・設備状況や業者の選択次第では大きく売却金額に差が出てしまう。
人気の低い物件や業者の紹介力によっては、売却までの相当の時間を要するだけではなく金額の値引きにつながる覚悟も必要としておく。 また、契約後の設備や機材のトラブルが続くと瑕疵物件としてキャンセル扱いになり、振出しに戻る場合もある。契約書や重要事項の精査と少なくとも家主、売り手、買い手、仲介者の4者による話し合いを重要となる。 |
・店舗の原状回復には坪単価として5万~10万円の工事費が発生する。
🉐譲渡・売却が決定した場合は、原状回復の必要性がなくなる
・リース物件などの解約の多くは残金決済をしなければならない。
🉐リース残を処理後に譲渡・売却金額で残債を相殺する。少ないケースですがリース会社によっては名義変更できる可能性もある。その他に仲介業者での解決策を持ち合わせている。
・毎月赤字営業の場合でも解約告知から解約期間3か月から6カ月の家賃の支払いが必要となる。
🉐居抜き(次の店舗借主)の早期契約は名義変更によって解約期間の設定から解放される。
業務委託の委任・請負
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【理由】業績悪化や人材確保が難しく見通しが立たない。高年齢で営業がつらい、体調が悪いなどで廃業を考えている。現店舗を任せたい。店舗を増店したい。フランチャイズの本部経営を委託したい。新規開業をしい。料理長や責任者のスタッフが不足している・・・
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【メリット】店舗に必要な人数の業務委託メンバーに運営を任せ、委託者(店主)は業務を外れ現在の業態でも店舗を継続ができるため、一から作り上げた店舗と従来のお客様のフォローも十分にできる。または新しい業態を受託者に任せイメージを変えた店舗継続ができる。
現状のスタッフを残し、責任者やコンサルタントの委託による再スタートができる。一般に考えられる飲食店コンサルタントと違い現場主義(運営・経営志向)が多いため、料理・調理・接客などの他、企画、経営や運営経験が豊富である。 オーナー(委託者)には一定の報酬、または売上や利益に応じての報酬配分など話し合いにより契約を取り交わすことができる。なお、委託期間内の解約(相当の理由がある場合)や期間更新も可能でありる。 店舗を一度手放し、再就職の道もあるだろうが未練は残るものだと思う。業務委託利用の場合、オーナーの希望がある場合は委託期間経過後にはオーナーによる再出発も考えられる。 業務委託で契約期間まで様子を見ながら、店舗の譲渡や売却を考える余裕ができる。 受託者は面談と書類提出、企画や事業計画のプレゼンを受けたうえの決定となる。 |
【注意点】立地や店舗状態などに加え、受託者のレベルや方向性もあるので業績upの確約はできない。納得いく受託者を探すことに時間を要することもある。また、店舗一軒の委託のなかで転貸に当たる場合、家主によっては転貸を承諾せず、委託の契約条項が制限され、魅力度が落ちてしまう可能性はある。委託者と受託者による条件交渉となるため、双方の契約内容を公正に保つためにも仲介者を必要とする。
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【リスク】委託の契約期間は1年から2年間が多いため、業績が良くても更新しない受託者もいる。その場合は再度オーナーが運営するか新規受託者の契約を求めることになる。なお、百戦錬磨のプロが受託するにしても、店舗状況や契約の取り決め方、委託者と受託者双方の歩み寄りと信頼がないなど様々な条件や要素によっては進展しない場合も考えられる。
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飲食店舗の閉店
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閉店の賃貸借の解約は契約内容によって様々です。ただし、最終的には賃貸借契約を解約し家主に引き渡さなければなりません。「解約の申し出は何か月前か」
3か月~6か月が殆どです。例えば6か月と規定されている場合、それより早く退去したとしても6か月に満たない家賃分は支払わなければなりません。 「解約の店舗状態は」 多くの場合、造作した部分において原状回復(スケルトン)にしなければなりません。しかも、退去日まで原状回復しない場合は、回復するまでの家賃(日割り、または月額)を請求されてしまいます。 「保証金の返金」 保証金は預けているお金ですので、全額返金されるのが当たり前のようですが、差し引かれる場合もあります。例えば家賃などの滞納、原状回復が不十分、退去日までの水道光熱費の未納、または賃貸借契約書で保証金の償却項目(20%とか)があるなどです。しかも保証金の返却日は契約書で数か月先を定めている場合もあります。 「従業員の問題」 従業員の解雇告知は最低1か月前となります。急遽解雇する場合は、余分に1か月分の給料を支給しなければなりません。問題は士気の下がった従業員が早めに辞めてしまうケースが多いという事です。「その他」厨房機器のリース料、各業者の残債など様々な問題が残ってしまいます。 |
飲食店の経営は誰でも始めやすいため、多くの一般企業の定款においても業務候補の一つに挙がるのではないでしょうか。ただ、食は誰にでも共通するテーマであるからこそ、入りやすく継続と評価は厳しいものなのです。
飲食店舗造作譲渡・売却金額の査定や相場、概算の計算方法は
居抜き店舗の売却・譲渡の相場額の取り決めや査定方法が知りたい。見積もりから売却まで要する期間は?リース残があっても可能か?手元に残る金額の結果は? 実は売却金…